ファインケミカルとは?受託合成の依頼前に確認すべき内容を総まとめ

ファインケミカルとは?受託合成の依頼前に確認すべき内容を総まとめ

ファインケミカルは、日本国内でも様々な形で研究、開発され、各企業が独自の技術を活かし生成している事業分野です。利用分野も多岐に渡りますが、具体的にどのような種類の合成があるのか、どのような設備が必要かについてご不明な点もあるのではないでしょうか。本記事ではファインケミカルや中間体の説明、必要な設備等をご案内し、実際にご依頼頂く場合の流れと併せて弊社の特長をご説明いたします。

ファインケミカルとは

ファインケミカルとは

ファインケミカルとは多品種・少量生産の化学製品を指し、固有の技術に裏付けられて生産されるため、加工度や機能性、付加価値が高く複雑な分子構造を持っています。食品、化粧品、医薬品の原料としての活用される他、塗料や石油化学、鉄鋼などの分野においても添加物として利用されるなど、その利用用途は幅広く様々な業界に関わりがあります。
またビジネス面では技術的な優位性が活かせる事業分野でもあり、自社の技術や人的資産、経験によるところも多いため、差別化がしやすく高い収益を上げやすいのが特徴です。石油化学製品や肥料などのコモディティ(汎用品)では規模による利益の拡大やコスト削減が重要視されます。一方でファインケミカルはその対極にあり、少量生産で企業規模に関わらず確立した自社の技術に独自性が求められます。

中間体とは

反応中間体とも呼ばれ、化学反応の過程で生じる中間生成物を指します。有機化合物を用いた反応には、原料から生成物に至るまでに様々な中間体が存在します。中間体に共通する特徴としては以下があります。

  • 中間体はたいてい短寿命であり、単離される例は稀である
  • 寿命が短いため、最終生成物の中に残ることもない
  • 化合物の分解で生じることが多い

このように不安定な反応中間体を実際に捉え、その立体構造や電子の状態を研究することは、反応の筋道の決定に重要な意義をもつだけでなく、構造自体の特殊性から、構造研究の対象としても注目されている研究分野の一つと考えられています。また不安定な中間体が結晶中で安定化した状態に、異なる物理特性を示すことも注目されている要因です。

受託合成に必要な設備について

受託合成には、ラボでの実験とは異なり、冷却やハロゲン化反応時に発生する酸に耐えられる設備、臭気対策、高生理活性物質を取り扱う場合には封じ込め設備など、製造のために様々な設備を必要とします。下記に弊社で取り扱っている機器と用途についてご案内します。

コニカルドライヤー:混合と乾燥を同時に行うことができる乾燥機です。医薬品や化学薬品、食品などの粉末や粉状品の乾燥によく使われています。

棚式乾燥機:器具の乾燥や製剤の乾燥などに利用します。トレイに乾燥物を配置し、乾燥を行う構造をしており、洗浄により品種切り替えを容易に行えることが特徴です。

蒸留器:混合物を一度蒸発させ、後に再び凝縮させることで、沸点の異なる成分を分離することを目的とした機器です。

遠心分離機:遠心力を発生させて固体と液体を分離させる、または水と油のように互いに溶け合わない比重の異なる液体と液体を分離させる装置です
研究開発の条件だし等においては、分離テストが可能な遠心分離機が有用です。

その他、反応缶や精密ろ過機など富士純薬株式会社で取り扱っている設備については以下から詳細をご覧いただけます。
http://www.fujijunyaku.co.jp/business_equipment.html

富士純薬の良いところ

富士純薬の良いところ

富士純薬の持つ特徴、強みについて以下3点にまとめてご案内します。また、これらを活かしながら、お客様のご要望を くみ取れる化学技術者がヒアリングから受託合成のご提案まで誠意をもってご対応いたします。

ISOに基づいた高品質なサービス

ISO9001に基づき品質マネジメントを行い、確かな品質でお客様にサービスをご提供しています。創業以来、70年以上にわたり一貫して有機化合物を中心とした中間体の製造に携わる中で磨いた技術はお客様にも高く評価を頂いております。特に塩化チオニルを使用した酸クロライド化を始め、ハロゲン化及びその誘導体の合成は弊社の強みとしている分野の1つです。

お客様にあった受託合成をご提案

営業担当者がお客様の合成処方やご要望を的確にヒアリングした上で、化学技術者が豊富な知見をもとにご要望を満たすべく試行錯誤して受託合成を行います。お客様からより細かな
ご要望を頂ける場合には、技術者と営業が一緒にお打ち合わせさせて頂き、お客様の求める合成を詳細にヒアリングし、ご提案させて頂くことで、可能な限りお客様にあった受託合成をご提供しています。

独立したマルチ設備

社内には各種マルチ設備を備えています。これにより少量案件でも柔軟に対応することが可能です。また独立マルチ設備のため、例えば反応のみ、濃縮のみを依頼したいといったご要望にも柔軟に対応いたします。反応から蒸留までといった全体工程をご依頼いただく場合にもしっかり対応いたします。営業担当がお客様のご要望、実現したい合成をお伺いし最適な方法を一緒に検討いたしますのでお気軽にお申しつけください。

受託合成可能な反応例

受託合成可能な反応例

有機化合物を中心とした中間体の生成、反応例の一部をご案内します。

ハロゲン化

詳細はこちらからご覧いただけます。

酸クロライド化 酸クロライド化
クロル化 クロル化
クロル化剤:SOCI2、POCI3(オキシ塩化リン)、SO2CI2(塩化スルフリル)、NCS 等
ブロム化 ブロム化
ブロム化剤:HBr、Br2、CBr4、NBS 等
ヨード化 ヨード化

酸クロライド誘導体

詳細はこちらからご覧いただけます。

Friedel-Crafts反応 Friedel-Crafts反応
アミド化 アミド化
エステル化 エステル化

四級塩化

詳細はこちらからご覧いただけます。

四級塩化 四級塩化

その他反応

詳細はこちらからご覧いただけます。

アセチレン化 アセチレン化
ニトリル化 ニトリル化
酸化反応、還元反応、Vilsmeier反応、エーテル化 等
精製、調液、乾燥 等

ご依頼の流れ

ご依頼の流れ

受託合成をご依頼の際には以下の流れでご対応させていただきます。
ご不明な点がございましたらこちらからお気軽にお問い合わせください。

1.お問い合わせ・ヒアリング

弊社の営業担当が受託合成についての確認事項をヒアリングいたします。内容によっては技術者も同行してお話を伺います。対応可能か判断するために、場合によっては秘密保持契約を締結し、処方開示をお願いする可能性がございます。

2.概算見積もり

ヒアリングを踏まえて、弊社での対応が可能と判断できた場合には、概算の見積りを作成しご連絡いたします。内容をご確認いただき、納得いただけましたら合成試験に移行します。
※ご相談、お見積りは無料です。お気軽にお問い合わせください。

3.合成試験・お客様の評価

合成試験で作成したサンプルについて、弊社内にて規格内か分析した上で、お客様にサンプルをお送りいたします。サンプルが到着しましたら分析評価をいただきます。
お客様のご要望の品質・品位に近い目的物質かどうかご確認頂けます。

4.再見積り・ご注文

合成試験で得た情報をもとに再見積もりを行います。
その後、内容にご納得いただければご注文をお願いいたします。

5.サンプルを元に有機化合物の製造開始

ご注文をいただきましたらスケジュールを調整したうえで、製造を開始します。
製造期間は受託製品により異なります。また製造のエキスパートが対応させていただきます。

6.品質の分析

製造完了後、目的物質が生成されているかどうかISO9001に基づく品質の分析を行ないます。お客様が信頼できる製品をご提供します。

7.納品

製品をご指定場所に納品します。弊社では各部署が同一箇所にあり一元管理しているため、製造完了後もスピーディーな納品が可能です。

8.アフターフォロー

弊社は製造・納品をして終わりではなく、アフターフォローを徹底しています。
より一層お客様のニーズに合った製造ができるよう徹底して参ります。

まとめ

ファインケミカルや中間体とはどのようなものか、受託合成がどのように行われ、どのような設備が必要となるかなどについてご案内しました。また弊社ならではの強みや、合成内容、実際にご依頼頂く場合の流れをまとめました。ファインケミカルの合成に関してご不明点やご関心を頂けましたらお気軽にこちらからお問い合わせください。